情報伝達と「心」―動物に心はあるのか?(link)

現代の科学者は、「心」というものを科学的な研究対象とし、「心があるかないか」を客観的な基準によって決めようとしました。たとえば、「心があるのは人間だけだ」、「いや、霊長類にも心がある」といったようなものです。しかし、デイヴィッド・チャーマーズが「意識のハードプロブレム」という言葉で批判したように、こうした研究は決して実証的な研究にはなりえなかったのです。たとえば、「犬に心がある」という研究は、「犬に感情移入しているのに過ぎない」という理由で批判されていたわけですが、では人間に感情移入をしないで、「人間に心がある」ということを言えるのかというと、それも微妙なのです。

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