拉致問題をめぐる小沢代表の発言(link)

2月上旬、都内で開かれた民主党議員と支持者による会合。党代表、小沢一郎が発した言葉に会場は一瞬凍りついた。

拉致問題北朝鮮に何を言っても解決しない。カネをいっぱい持っていき、『何人かください』って言うしかないだろ」

日本人の人権と日本の主権を蹂躙(じゅうりん)した北朝鮮の犯罪をカネで決着させる−。あまりにもドライな小沢発言は、当然のごとく、箝口(かんこう)令が敷かれた。

外交・安全保障をめぐる小沢の「危うさ」が露呈し始めている。

民主党解剖】第1部「政権のかたち」(1)「小沢首相」は大丈夫か
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090302/stt0903020008000-n1.htm
【民主】小沢氏「拉致問題北朝鮮に何を言っても解決しない。カネをいっぱい持っていき、『何人かください』って言うしかないだろ」/痛いニュース
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1220871.html

この小沢代表の発言は反発したくもなるけれど、正しいっちゃ正しい。小泉元首相が拉致被害者を日本に連れてきたのも「金」によるものだったわけだから、歴史認識としても正しいでしょう。前後の文脈が分からないと評価しようのない発言だと思います。

最近よく疑問に感じるのが、「北朝鮮拉致被害者の奪還」を主張する人が、その手段として「北朝鮮への強硬策」を主張していることがあることです。これは、民族主義者の感情を煽る政治的に「受ける」発言であるにしても、二つが矛盾することは間違いないでしょう。日本人として非常に残念なことではありますが、今の日本は、拉致被害者を捨てて北朝鮮に強硬策をとるか、拉致被害者を重視して北朝鮮に懐柔策をとるかという二者択一が迫られている状況ではないかと思います。理想主義で、目立った成果のなかった安倍元首相と比べれば、小沢代表の発言ははるかに現実主義的。大衆受けするものではないかもしれませんが、外交という意味で、むしろプラスに評価できるものだと思います。

続きを読む